医療関連企業向け|医療政策トピックス(2025年2月・3月)~医療機関向け補助金でICT化加速!今こそ提案の好機~

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業種
企業経営
- 種別 レポート
本記事では、医療業界への新規参入企業 ・医療関連企業向けに、直近の政策動向に関する情報を配信しています。
1. 医療施設等経営強化緊急支援事業とは
厚生労働省は令和6年度の補正予算において、人口減少や医療機関の経営状況の急変に対応する緊急的な支援として、医療施設等経営強化緊急支援事業(緊急支援パッケージ)を打ち出しました。
医療施設等経営強化緊急支援事業(緊急支援パッケージ) ① 生産性向上・職場環境整備等支援事業 ② 病床数適正化支援事業 ③ 施設整備促進支援事業 ④ 分娩取扱施設支援事業・小児医療施設支援事業 ⑤ 地域連携周産期支援事業(分娩取扱施設) ⑥ 地域連携周産期支援事業(産科施設) |
緊急支援パッケージのうち、「生産性向上・職場環境整備等支援事業」は、医療機関の生産性向上や職員の処遇改善に資する事業であり、効率的に業務を行う環境の整備費用に対して給付金を支給するものとなっている。本事業の予算については、令和7年度に繰り越すこと、および「生産性向上・職場環境整備等支援事業」の事業の終期が令和8年3月31日まで延長されることが通知されています。
多くの医療機関において人手不足が深刻化する中、業務効率化と生産性の向上が重要な課題 となっている一方で、昨今の厳しい経営環境により 新たな投資が難しい状況が続いている。そのような状況下のなか、 本補助金の利用は 医療機関のICT化を推進するうえで非常に有効な手段であり、企業にとっては医療機関にサービスを案内するチャンスである。
2. 補助金額は許可病床数×4万円?対象となる要件は?
(1)実施主体・支給金額
「生産性向上・職場環境整備等支援事業」の対象は、「病院」「有床診療所」「無床診療所」「訪問看護ステーション」となっており、支給額はそれぞれ以下のとおりです。
・病院許可病床数×4万円 … 許可病床数×4万円
・有床診療所(5床以上)… 許可病床数×4万円
・有床診療所(4床以下)… 1施設×18万円
・無床診療所 … … … … … 1施設×18万円
・訪問看護ステーション … 1施設×18万円
上記にある許可病床数は申請日時点における医療法上の許可病床数であり、すべての病床区分が対象となっています。
(2)給付の対象となる取り組み
給付の対象となる取り組みは以下の3点のいずれかであり、複数の取り組みを組み合わせることも可能です。
対象となる取り組み | 概要 |
ICT機器等の導入による業務効率化 | タブレット端末、離床センサー、インカム、WEB 会議設備、床ふきロボット、監視カメラ等の業務効率化に資する設備の導入 |
タスクシフト/シェアによる業務効率化 | 医師事務作業補助者、看護補助者等の職員の新たな配置によるタスクシフト/シェア |
給付金を活用したさらなる賃上げ | 処遇改善を目的とした、既に雇用している職員の賃金改善 |
「ICT機器等の導入による業務効率化」の取り組みについては、導入により施設内の業務効率化に資するICT機器等の給付が対象となっており、概要に記載している機器以外でも業務効率化に資するものであれば幅広く対象となっています。ICT機器以外の機器やソフトウェアも対象(導入により施設内の業務効率化に資することが認められるものに限る)であり、購入以外のリース契約も対象となる など医療機関にとって利用しやすいものとなっています。
ただし、新たに導入するICT機器等を対象にしており、既存機器のランニングコストやシステム更新費用は対象とならない点は注意が必要です。
(3)支給要件
本事業の支給においては、対象となる事業主体のうち、令和7年3月31日時点でベースアップ評価料を届出していること が求められています。2025年3月時点での各厚生局の届出状況から診療所(医科)・病院の届出割合を試算すると、ベースアップ評価料を届出している診療所(医科のみ集計)の割合は30.4%、病院の割合は86.7%、となっており、診療所での届出割合が低く、病院の届出割合は高い傾向があります。
都道府県別(病院)では、高い順で 島根県93.5%、岡山県92.4%、沖縄県92.2%となり、低い順では茨城県76.0 %、宮崎県77.7%、青森県78.2%となっています。本事業を前提に医療機関に案内する場合には、事前に届出状況を確認するとよいでしょう。

引用:厚生労働省「医療施設等経営強化緊急支援事業」
厚生労働省「生産性向上・職場環境整備等支援事業に関するQ&A(第2版)」
弊社ではこれまで累計で1,600件を超える病院の経営支援を行ってまいりました。その知見やネットワークを活用し、病院・診療所・介護施設を支える医療関連企業のご支援や新規に参入する企業の支援を行っています。弊社のメイン事業は病院経営コンサルティングであることから、あくまでも病院・介護施設などの立場に立ち、ヘルスケア業界で“真に役立つテクノロジー・サービス”に限ってご支援しています。
ご関心があれば、下記サービスラインナップ・専門サイトをご覧ください。
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本稿の執筆者
坂本 浩幸(さかもと ひろゆき)/株式会社日本経営 戦略コンサルティング部
森實 雅司(もりざね まさし)/株式会社日本経営 メディアコンテンツ事業部
株式会社日本経営
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